教育要領における姿勢というカテゴリー

スマホやパソコンが普及した現在は、

パソコンで仕事をし、休憩時間や移動時間にスマホで遊ぶ、

そんな人が多くなっているのではないでしょうか。

 

そして、スマホやパソコンを使う際に、姿勢よくしている人は

ほんとにわずか。大多数の人が首も背中も腰も肩も丸くなっています。

我々が幼い頃はまだ「姿勢を正しなさい」と事あるごとに言われたものです。

肘をつかない、背筋をのばす、胸をはる、、、、

表面的ではあるものの、姿勢を正す機会はありました。

 

ただ、その中で、姿勢を教えてもらう機会はありませんでした。

 

現代もその流れは変わらず、姿勢を正す機会が減り、

姿勢を悪くする機会が増えている状態です。

 

姿勢を直そうにも、姿勢を教えてもらっていないということも

姿勢が悪いままにしてしまうひとつの背景でもあることが

様々な人とお話をさせて頂く中でうかがえることです。

 

 

「姿勢教育」はいつごろから衰退してきたのであろうか。

戦後初めて施行された「小学校学習指導要領・体育編」(昭和24年)では、

姿勢に関する具体的な指導目標が上げられている。

「第二節 体育科の目標」の中で示された体育科の大きな目標、

「健康で有能な身体を育成する」の2番目の具体的目標に、

「よい姿勢をつくる」と謳われている。

しかし姿勢教育に関する言及は、昭和33年に行われた改定で失われて以来、

「小学校学習指導要領」に関する限り、姿勢という文字すら見られなくなっている。

体育の方向は、もっぱら能力主義になり、体力がつき、スポーツ能力を

つけさえればよいのだとする空気におしながされているというのが現状である。

1976(昭和51)年の時点ですでに姿勢教育は、体力向上のための体操や

スポーツ等の運動の推進のために、完全に忘れ去られていたようである。

出典:https://www.shitennoji.ac.jp/ibu/images/toshokan/kiyo2006-3-08.pdf

幼稚園では昭和39年に施行された「幼稚園教育要領」における、健康領域において、

「健康な生活に必要な習慣や態度を身につける」、という大きな目標の中での 9 番目の項目に

「姿勢を正しくする」があげられている。

この「幼稚園教育要領」においても「小学校学習指導要領」と同じく、

その後の改定において姿勢に関する記述は消えている。

ただし「幼稚園教育要領」の次回の改訂が平成 2 年であり、

昭和39年から約26年間は目標として存在したことになる。

しかし、昭和39年に施行された前年から「スポーツテスト」が開始されるように、

世間は体操やスポーツ等による運動で体力を向上させようとしていた時期であり、

その間辛うじて26年間も姿勢の項目が残存していたことになるが、

平成 2 年の改定時には形骸化され、前述のように管理者側による部分的な姿勢指導と

なっていたため削除されたのであろう。

出典:https://www.shitennoji.ac.jp/ibu/images/toshokan/kiyo2006-3-08.pdf

ごく最近の教育要領を読ませて頂いても、確かに「姿勢」という文字は

ほとんど出てきません。

しかし、身体と心の基礎となり、土台となるのは「姿勢」。

 

今こそ、見直すべき時ではないでしょうか。

 

 

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